用語 · 庭園・建築
借景(しゃっけい)
庭園の外にある山や樹木などの景観を、庭の構成要素として取り込む造園の手法。背後の山並みを庭の一部として見せることで、限られた敷地に広がりと奥行きを生み出す。比叡山や嵐山を借景とする京都の庭が名高い。
- 分類
- 造園の手法
- 代表例
- 天龍寺(嵐山)・円通寺(比叡山)

借景とは
借景とは、庭園の外側にある山・樹木・建物などの景観を、あたかも庭の一部であるかのように庭の構図に取り込む造園の手法をいう。遠くの山並みなどを「借りて」庭の背景に据えることで、塀の内に収まる限られた空間に広大な奥行きと変化を与える。
うまく借景を成立させるには、庭の植栽や生垣の高さ、建物との位置関係を計算し、見せたい景観だけが額縁のように切り取られるよう設計する必要がある。日本庭園では平安後期から景観を取り込む発想が見られ、各地で借景の名庭が築かれてきた。
京都での例
天龍寺の曹源池庭園は、夢窓疎石の作庭と伝えられ、池の向こうに嵐山や亀山を借景として取り込み、庭と山が一体となった景観をつくり出している。
洛北の円通寺庭園は、後水尾天皇ゆかりの庭として知られ、まっすぐな生垣と杉木立の上に比叡山のなだらかな稜線を望む、額縁の中に比叡山を収めたような借景庭園として名高い。正伝寺の庭なども比叡山を借景とし、京都ならではの借景の妙を伝えている。