Guide · 参拝の作法
お寺での線香・焼香の作法 — 本数・回数は宗派で異なる
お寺でお参りするとき、線香を供えたり焼香をしたりする所作には、香で身を清め仏様に香りを捧げるという意味があります。注意したいのは、線香の本数も焼香の回数も宗派によって異なり、全国共通の決まりはないという点です。立てる宗派もあれば寝かせる宗派もあります。共通するのは「火は息で吹き消さず、手で扇いで消す」という作法です。この記事では一般的な目安と宗派による違いを整理します。

線香を供える意味
仏教では、香りは仏様への供養(香供養)であり、その場と自分自身を清めるものとされます。線香の煙や香りは仏様のご馳走(香食・こうじき)とも表現され、手を合わせる人の心を落ち着かせる役割もあるといわれます。
お寺の本堂前に大きな香炉(常香炉・じょうこうろ)が置かれていることが多く、参拝者はここに線香を供えてから合掌します。煙を体にあてて健康を願う風習を伝える寺院もありますが、これは正式な作法ではなく民間の習わしです。
線香の本数は宗派で異なる
線香の本数に全国共通の決まりはなく、宗派によって目安が異なります。一例として、天台宗・真言宗では3本、臨済宗・曹洞宗では1本、日蓮宗では1本または3本とされることが多いとされます。
供え方も、香炉に立てる宗派が多い一方、浄土真宗では線香を立てず、1本を香炉の大きさに合わせて折り、横に寝かせて供える(寝線香)のが作法とされます。本数や供え方に迷ったら、その寺院の案内に従うか、心を込めて1本供えれば失礼にはあたりません。
火は手で扇いで消す
線香やろうそくに火をつけたあと、炎が残っていれば消してから供えます。このとき口で吹き消してはいけません。仏教には「人の口は不浄」という考えがあり、仏様に向けて息を吹きかけるのは失礼とされるためです。
火は、線香を持つ手と反対の手で軽く扇いで消すか、線香を軽く上下に振って消します。ろうそくも同様に手で扇いで消します。また、すでに供えられている線香やろうそくから火をもらう「もらい火」は、他人の業を受けるとして避けるべきという考えがあり、火は自分でつけるのが望ましいとされます。
焼香の回数も宗派で異なる
抹香(粉末状の香)を香炉にくべる「焼香」も、回数は宗派によって異なります。一般に1回〜3回とされ、つまんだ香を額の高さに軽く押しいただく(おしいただく)作法をとる宗派が多いとされます。
たとえば浄土真宗本願寺派では、香を額に押しいただかず1回のみとするのが作法とされます。回数や所作に迷ったら、前の人に合わせるか、心を込めて1回行えば問題ないとされます。気になる場合はその寺院・葬儀の案内に従うのが確実です。
線香・焼香の作法の手順
- 線香を取り火をつける線香を1本(宗派により3本など)取り、ろうそくなどから火をつけます。
- 火を手で扇いで消す炎が残っていれば、反対の手で軽く扇ぐか線香を振って消します。口で吹き消しません。
- 香炉に供える立てる宗派は香炉の中央に立て、浄土真宗などは折って横に寝かせて供えます。
- 合掌して祈る数珠があれば手にかけ、静かに合掌して一礼します(拍手はしません)。
線香・焼香の作法に関するよくある質問
線香は何本供えればよいですか?
全国共通の決まりはなく宗派で異なります。天台宗・真言宗は3本、臨済宗・曹洞宗は1本などとされますが、迷ったら1本供えて心を込めれば失礼にはあたりません。
線香の火を口で吹き消してはいけないのはなぜですか?
仏教に「人の口は不浄」という考えがあり、仏様に息を吹きかけるのは失礼とされるためです。手で軽く扇ぐか、線香を振って消します。
焼香は何回が正しいですか?
1回〜3回が一般的ですが宗派で異なります。浄土真宗本願寺派は押しいただかず1回とされます。迷ったら前の人に合わせるか、心を込めて1回行えば問題ありません。
線香は立てるのと寝かせるのとどちらが正しいですか?
立てる宗派が多い一方、浄土真宗では折って横に寝かせます。供え方も宗派により異なるため、その寺院・宗派の作法に従うのが確実です。
他の人の線香から火をもらってもよいですか?
「もらい火」は他人の業を受けるとして避けるべきという考えがあり、火は自分でつけるのが望ましいとされます。