Guide · 参拝の作法
お寺の正しい参拝作法 — 合掌・一礼と、拍手をしない理由
お寺の参拝は、神社と違って「拍手をしない」のが大きな特徴です。本堂の前では音を立てず、静かに合掌して一礼し、仏様に手を合わせます。山門での一礼、線香や献灯のささげ方など、寺院ならではの作法があります。ただし作法は宗派や寺院によって差があり、焼香の回数や唱える言葉は一様ではありません。この記事では一般的な作法を中心に、宗派による違いの目安も整理します。

山門で一礼してから入る
お寺の入口にある山門は、聖域への境界です。くぐる前に山門の前で軽く合掌・一礼してから入るのが丁寧とされます。
また山門や本堂の敷居(しきい)は踏まないように、またいで通るのが古くからの作法です。参道や境内では静かにふるまい、写真撮影が禁止された堂内などのルールにも従いましょう。
お寺では拍手をしない理由
神社の「二礼二拍手一礼」に対し、お寺では拍手をしません。本堂前では、賽銭を静かに入れ、鰐口(わにぐち)などの鳴らし物があれば鳴らし、合掌して祈り、最後に一礼するのが基本です。
拍手をしないのは、仏様への礼拝が「静かに手を合わせて敬う」性質のものだからとされます。神社の拍手が神様を讃え招く所作であるのに対し、仏様には音を立てず、合掌して祈りを捧げるのが作法です。数珠を持っている場合は手にかけて合掌します。
線香と献灯のささげ方
本堂前に常香炉(じょうこうろ)があれば、線香を供えます。線香に火をつけ、香炉の中央あたりに立てて(または寝かせて)供えます。ろうそく(献灯)を供える場合は、御本尊に近い奥のほうから燭台に立てるのが丁寧とされます。
注意したいのが「もらい火」です。すでに供えられている線香やろうそくから火をもらうのは、他人の業(ごう)を受けるとして避けるべきという考えがあり、火は自分でつけるのが望ましいとされます。
宗派や寺院による違い
お寺の作法は宗派や寺院によって差があります。たとえば焼香の回数は、一回とする宗派もあれば三回とする宗派もあり、浄土真宗本願寺派のように額に押しいただかず一回とする作法もあります。
唱える言葉(念仏や真言)も宗派ごとに異なります。回数や所作に迷ったら、無理に合わせず、心を込めて静かに合掌一礼すれば失礼にはあたりません。気になる場合はその寺院の案内に従うか、寺務所で尋ねるのが確実です。
お寺の参拝作法の手順
- 山門で一礼山門の前で合掌・一礼し、敷居を踏まずにまたいで入ります。
- 手水で清める手水舎があれば、手と口を清めます。
- 線香・献灯常香炉や燭台があれば、自分で火をつけて線香やろうそくを供えます。
- 賽銭・鰐口本堂前で賽銭を静かに入れ、鰐口があれば鳴らします。
- 合掌して祈る拍手はせず、胸の前で静かに手を合わせて祈ります。
- 一礼最後に一礼します。退出時、山門でも本堂に向き直って一礼すると丁寧です。
お寺の参拝作法に関するよくある質問
お寺で拍手をしてもよいですか?
いいえ。お寺では拍手をしません。神社の二礼二拍手一礼はお寺には用いず、静かに合掌して一礼します。
線香は何本供えればよいですか?
宗派や寺院によって異なります。一般の参拝では一本でも差し支えありません。本数や立て方に決まりがある場合は、その寺院の案内に従ってください。
数珠は必要ですか?
必須ではありませんが、持っていれば手にかけて合掌するとより丁寧です。なくても合掌一礼すれば問題ありません。
賽銭の後に鳴らす鰐口とは何ですか?
本堂の軒先などに吊るされた金属製の鳴らし物で、参拝に来たことを仏様に知らせる意味があるとされます。備え付けられている場合に鳴らします。
神社とお寺が同じ境内にある場合は?
神仏習合の名残で同居する例があります。神社部分は二礼二拍手一礼、お寺部分は合掌一礼と、それぞれの作法で参拝すれば問題ありません。