Guide · 神社とお寺の基礎知識
鳥居の意味・くぐり方|聖域の境と一礼・端を通る作法・種類
神社の入口に立つ鳥居は、神社のシンボルであると同時に、人の世界と神様の世界を分ける大切な境です。京都の伏見稲荷大社の千本鳥居のように、印象的な鳥居も数多くあります。鳥居の意味を知り、くぐり方の作法をおさえておくと、お参りがより丁寧になります。ここでは鳥居の意味と由来、正しいくぐり方、代表的な種類を解説します。

鳥居の意味 ― 神域と俗界を分ける境
神社本庁の説明では、鳥居は神社の内と外を分ける境に立てられ、その内側は神様がお鎮まりになる「神域」とされています。つまり鳥居は、私たちの暮らす世界と神聖な世界とを分ける境界の役割を担っています。
このため鳥居をくぐる行為は、神様の領域に足を踏み入れることを意味します。境内に入る前の心構えを整える結界のような存在として、古くから大切にされてきました。
由来には諸説ある
鳥居の起源には複数の説があります。神社本庁では、天照大御神が岩屋にお隠れになった際、神々が鶏を鳴かせ、その鶏が止まった木を起源とする説や、外国から伝わったとする渡来説などが紹介されています。
どの説も確定したものではなく、由来は諸説あるというのが正確なところです。長い歴史のなかで、鳥居は神社を象徴する建造物として定着してきました。
くぐり方 ― 一礼して端を通る
鳥居をくぐるときは、目上の方のお宅を訪ねるような気持ちで、軽く一礼してからくぐるのが丁寧とされています。参道の中央は神様がお通りになる道(正中・せいちゅう)とされるため、参拝者は中央を避け、左右どちらかの端に寄って歩くのがよいとされています。
これらは広く知られる作法ですが、必ず守らなければ罰があるという性質のものではなく、敬意を表すための心づかいです。帰り際にも向き直って一礼すると、より丁寧です。
鳥居の種類
鳥居は材質も構造も多様で、一説には60種類以上の形があるともいわれます。代表的なのは、上部の横柱(笠木)が一直線になっている「神明(しんめい)鳥居」と、横柱の両端が上向きに反った「明神(みょうじん)鳥居」です。
このほか、明神鳥居に合掌形の破風がついた「山王(さんのう)鳥居」や、朱塗りが特徴の「稲荷鳥居」など、神社によってさまざまな形が見られます。鳥居の形を見比べながら参拝するのも、神社めぐりの楽しみのひとつです。
鳥居の意味とくぐり方の手順
- 鳥居の前で一礼する鳥居の手前で立ち止まり、神域に入る前に軽く一礼します。神様のお宅を訪ねる気持ちで敬意を表します。
- 端に寄ってくぐる参道の中央(正中)は神様の通り道とされるため避け、左右どちらかの端に寄って静かにくぐります。
- 参道も端を歩く拝殿へ向かう参道でも、できるだけ中央を避けて歩くのが丁寧とされています。
- 帰りも一礼する参拝を終えて鳥居を出る際にも、向き直って軽く一礼すると、より丁寧な作法になります。
鳥居の意味とくぐり方に関するよくある質問
鳥居の真ん中を歩いてはいけないのですか?
中央(正中)は神様がお通りになる道とされるため、参拝者は端に寄って歩くのが丁寧とされています。罰があるというより、神様への敬意を表すための心づかいです。
鳥居が複数ある場合、すべてで一礼するのですか?
厳密な決まりはありません。最初の鳥居で一礼すれば十分という考え方もあれば、くぐるたびに一礼する方もいます。ご自身の敬意の表し方として無理のない範囲で行えばよいでしょう。
朱色の鳥居と木の鳥居で意味は違いますか?
色や形は神社や系統によって異なり、稲荷神社では朱塗りの鳥居が特徴です。色そのものに優劣はなく、神域の境という鳥居の基本的な意味は共通しています。
お寺にも鳥居があるのはなぜですか?
かつて神仏が併せて信仰された神仏習合の歴史の名残で、鳥居を備えるお寺もあります。基本的には鳥居は神社のものですが、こうした例外もあります。