Guide · 神社とお寺の基礎知識

狛犬の意味|阿吽の由来・起源・神社の狛犬と稲荷の狐の違い

神社や寺院の入口で、左右一対になって参拝者を迎える狛犬。当たり前のように見ている存在ですが、その役割や「阿吽(あうん)」の意味、稲荷神社の狐との違いを知る人は意外と多くありません。ここでは狛犬の意味と起源、阿吽の形、そして神社の狛犬と稲荷の狐がそれぞれ何を表すのかを整理します。

伏見稲荷大社(狛犬の意味の関連スポット)
伏見稲荷大社(狛犬の意味の関連スポット)

狛犬とは ― 聖域を守る一対の像

狛犬は、神社や寺院の入口・社殿の前などに左右一対で置かれる、獅子に似た想像上の動物の像です。聖域を守り、災いや邪気が入るのを防ぐ守護獣としての役割を担うと考えられています。

一対で置かれることで境内の入口に結界のような意味を持たせ、参拝者を迎えると同時に神聖な空間を守るとされています。石造のものが多く、神社の雰囲気を象徴する存在のひとつです。

起源 ― 獅子像が源流とされる

狛犬の源流は、古代オリエントやインドなどで聖なる存在の傍らにライオン(獅子)の像を置いた風習にあるとされ、それが中国を経て日本に伝わったと考えられています。

日本では時代を経るなかで、口を開けた像と閉じた像を一対にする、片方に角をつけるなど独自の形に発展し、魔除けの像として定着していったとされます。起源には諸説があり、細部は断定できませんが、海外由来の獅子像が源流という点は広く知られています。

阿吽(あうん)の意味

左右の狛犬は、口を開けた「阿形(あぎょう)」と口を閉じた「吽形(うんぎょう)」が一対になっているものが多く見られます。「阿吽」は物事の始まりと終わりを表すとされ、二体で世界の全体を象徴するという考え方があります。

配置は社殿に向かって右に阿形、左に吽形を置く例が多いとされますが、神社や時代によって例外もあります。なお厳密には、向かって右の角のない像を「獅子」、左の角のある像を「狛犬」と呼び分ける伝統もあります。

神社の狛犬と稲荷の狐の違い

稲荷神社では、入口や社殿前に狛犬ではなく狐の像が置かれているのを見かけます。これは狐が稲荷の神様の「神使(しんし)」、つまり神様のお使いとされているためです。

狛犬が聖域を守る守護獣であるのに対し、稲荷の狐は神様の使いという位置づけで、役割が異なります。神社によって祀る神様や信仰の系統が違うため、入口に置かれる像も異なるわけです。京都の伏見稲荷大社では、各所で狐の像を見ることができます。

狛犬の意味に関するよくある質問

狛犬はなぜ口を開けた像と閉じた像があるのですか?

口を開けた阿形と閉じた吽形で「阿吽」を表すためとされます。阿吽は物事の始まりと終わりを示し、二体で全体を象徴するという考え方があります。配置には例外もあります。

狛犬と獅子は違うものですか?

厳密には、向かって右の角のない像を獅子、左の角のある像を狛犬と呼び分ける伝統があります。現在では一対をまとめて「狛犬」と呼ぶことが一般的です。

稲荷神社の狐は狛犬の一種ですか?

いいえ。稲荷の狐は稲荷の神様の神使(お使い)とされ、聖域を守る守護獣である狛犬とは位置づけが異なります。祀る神様や信仰の系統の違いから、置かれる像も異なります。

お寺にも狛犬がいるのはなぜですか?

源流の獅子像は仏教とともに伝わったとされ、神仏習合の歴史もあって寺院でも狛犬(獅子)を見かけます。神社・寺院いずれでも聖域を守る存在として置かれてきました。

あわせて訪れたい京都の寺社

関連する基礎知識ガイド

基礎知識ガイド一覧京都のスポット一覧京都のお守り