基本情報
概要
1886(明治19年)、京都で始めて造られた公園。八坂神社の奥にあります。
春には園内の800本を越す桜が一斉に咲き、シーズン中は昼夜花見客で賑います。中でも枝垂れ桜は有名です。春になると、昼夜を問わず花見客沢山で、花を楽しむ気分ではないと思ったりもしますがこんな意見も。
「しかしいまだかつて京都祇園の名桜「枝垂桜」にも増して美しいものを見た覚えはない。数年来は春になれば必ず見ているが、見れば見るほど限りもなく美しい。
位置や背景も深くあずかっている。蒼く霞んだ春の空と緑のしたたるような東山とを背負って名桜は小高いところに静かに落ちついて壮麗な姿を見せている。夜には更に美しい。空は紺碧に深まり、山は紫緑に黒ずんでいる。枝垂桜は夢のように浮かびでて現代的の照明を妖艶な全身に浴びている。美の神をまのあたり見るとでもいいたい。私は桜の周囲を歩いては佇む。あっちから見たりこっちから見たり、眼を離すのがただ惜しくてならない。ローマやナポリでアフロディテの大理石像の観照に耽った時とまるで同じような気持である。炎々と燃えているかがり火も美の神を祭っているとしか思えない。
あたりの料亭や茶店を醜悪と見る人があるかも知れないが、私はそうは感じない。この美の神のまわりのものは私にはすべてが美で、すべてが善である。酔漢が一升徳利を抱えて暴れているのもいい。群集からこぼれ出て路端に傍若無人に立小便をしている男も見逃してやりたい。どんな狂態を演じても、どんな無軌道に振舞っても、この桜の前ならばあながち悪くはない。」九鬼周造(祇園の枝下桜)より
九鬼が見た桜とは代がかわちゃってますが。
そういえば安井金比羅宮や六道珍皇寺、建仁寺や祇園界隈は、聖俗入り混じって魅力になっているような気もします。